ヒュムノスではジャクリの「EXEC_SPHILIA/.」(みとせのりこさん)とジャクリ・クロアの「こころ語り」(みとせのりこさん・Dahnaさん)の作編曲を担当させていただきました(作詞は両曲ともみとせのりこさんです)。それぞれに工夫をこらした部分がゲームの中で生きていてとても嬉しかった!
また、アルトネリコ2は戦闘が半リアルタイムのような感じなので効果音が格闘ゲームっぽく入り乱れて派手に鳴ってくれたことが効果音担当としては嬉しかったですね。クロアのマシンガン?の連射のズガガガッて感じとか。あと必殺技ムービーの効果音つけるのが大変だったけど楽しかったなあ。
さてさて10周年ということで、過去にアルトネリコ2に関してツイッターに書いた裏話?をまとめて掲載しますので、興味のある方は読んでみてください!
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「EXEC_SPHILIA/.」と天使の声
アルトネリコ2のヒュムノス「EXEC_SPHILIA/.」の音源をお持ちの方、4:23あたりの"hartes ciel"の部分を聴いてみて下さい。みとせのりこさんのボーカルが"ciel"でかなり上に上がっている、音楽的にはG#の音を出しているように聴こえると思います。
この部分、実はC#の音をみとせさんは歌っておられます。多重のトラックをひとつひとつ聴いてみても、どのみとせさんも(笑)G#では歌っておられません。ミックスしてるときに「何だ!?」とびっくりしました。
おそらく多重によって倍音成分(ハーモニクス)が増幅されたか、波動の合成で倍音化したか。調べてみると、これは合唱曲などでしばしばみられる現象で「天使の声」と呼ばれたりもするそうです。Wikipedia
調整すればこれを消すこともできたのですがとんでもない!こんな音楽の奇跡を逃してなるものか!とこのまま完成ミックスとしました。このお話、ドッコイフェスティバルでも書いたんですがそろそろ風化した頃だと思いまして(笑)再度紹介です。
それにしても「天使の声」までも装備してしまうとはさすがみとせさん!その歌声はもはや人類を超越した領域にまで到達しているといっても華厳の滝ではナイアガラの滝廉太郎。
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「こころ語り」ふたりの立ち位置
アルトネリコ2「こころ語り」ジャクリ(みとせのりこさん)の歌はやや右から、クロア(Dahnaさん)の歌はやや左から聴こえます。これはイベントシーンのジャクリとクロアの位置に合わせています。
ただし、よーく聴いていると二人の位置がほぼ重なるところが数箇所あります。いかにも重なりそうなところですね。何が起こっているんでしょうね。ねー。いやだようおまいさん。
実は一度ミックス終わってから別のスタッフが制作中のイベントシーンをチラ見して「はうあ!」とあわてて位置を逆にしてミックスし直したことはゲーム発売から5年は隠しておかねばなるまいな。
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5年どころか10年経ったし、もういいでしょう(笑)
しかし発売から10年も経つとこういう裏話的なこともどんどん忘れていっちゃうので、たまにツイートして残しておくのもいいかもしれませんね。
というわけで、ツイッターが中心になると思いますがこれからも過去タイトルの開発裏話的なものをちょいちょい紹介していきたいと思います。あんまり期待せずにお待ちください!
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アトリエシリーズといえば錬金術でアイテムをつくっていろんな問題を解決していくゲームですが、言い換えれば「発見と創造を誰かのために役立てる」ゲームだと思っています。そんな創造的なテーマをもつシリーズに長く携わってこれたことは僕の誇りです。
なお嬉しいのは第一作「マリーのアトリエ」から参加させていただいていることです。どうしても続編タイトルが多くなりがちな昨今、こんなにも長く存続するシリーズの始まりに立ち会えたことは本当に光栄です。
僕の主な担当は音楽や効果音、音声などサウンド関連の開発ですが、特に初期作では小規模な開発体制からそれ以外の作業をお手伝いさせていただくことも多く、シリーズ全体に大きな思い入れがあります。
そして20年間でナンバリングタイトルだけで18作、携帯機タイトルなども合わせれば20作を軽く越えます。平均して年1作以上ということでこれはRPGとしては異例のハイペース。たくさん出せば偉いというもんでもなく、作るのも大変なら買って遊ぶのも大変です(笑)そんなペースを続けてこられたのはひとえにファンの皆様のご支持があったからこそで、開発する側としてはとてもありがたく、また誇るべきことだと思います。
第一作から最新作までずっと楽しんでいただいている方や、今や親子2代でアトリエファンという方もおられるようで嬉しい限りです。
僕は今では外部の協力スタッフという立場ではありますが、これからもお声掛けいただける限り全力で取り組んでまいります。そして僕自身もファンの一人として今後のアトリエにも大いに期待しています。
皆様、今後ともアトリエシリーズをどうぞよろしくお願いいたします!