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Friday(後編)
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    前編から続く!
     
    さて、そんなFridayを誰に歌ってもらおうか・・なんて、実は曲を作り始めた時点ですでに決めていました。
    新進気鋭の実力派シンガー、柳麻美さん。
    アトリエで初めて柳さんにお願いした歌、マナケミア2のエンディングテーマ"Sail"は落ち着いたバラードでした。今回はうって変わってポップな曲調ですが、不安はまったくありませんでした。それは、前回の"Sail"の収録で実際に柳さんにお会いしたときの明るくて行動的、快活な印象が「アニーのアトリエ」のゲームのイメージにぴったりだったからです。(あともちろん、すごいうまいからってのもあるんですが(笑))
    はたして大正解。パワーや元気さはもちろん、落ちサビ(「それでダメでも・・」)の慰められるようなやわらかい感じもすばらしいです。

    柳さんにはこの「アニーのアトリエ」のEDテーマ、"Shiny"も歌っていただきました。
    せっかくですからこちらもちょっと解説。
    "Shiny"はアニーのアトリエのBGM「シトラス」をアップテンポにしてヴォーカルアレンジしたものです。歌詞はアトリエには珍しく、ボーイミーツガールというかちょっと恋愛をイメージしたものになっています。で、僕はこういう歌詞について「誰と誰のカップルかはそれぞれの妄想ご想像にお任せします」なんてよく言うんですが・・
    この"Shiny"に関しては明確に特定します!ハンスとアニーです!ハンアニです!
    だって歌詞の内容からしてこの二人以外にありえないでしょう!
    「こわれたような歌」なんて歌詞も手前味噌ながらけっこう気に入っていて、それが柳さんのヴォーカルの表現力を得て歌という形になったものをスタジオで聴いたときは本当に感動しました。毎度思うんですが、この「歌」が誕生する瞬間に立ち会える感動は作詞作曲者ならではの役得ですね。毎回泣きそうになります。というか数回泣いてます(笑)
    泣く、といえばサビの「泣いて怒って笑う」というところは和狸ナオ先生のバストアップイラストデータの表情バリエーションをパカパカ切り替えていたら浮かんできた歌詞です。そのまんまだな(笑)
    よく晴れた日なんかにぜひ聴いていただきたい曲です。
    できればちょっと悪い音のAMラジオとかカセットテープなんかで(笑)

    そして実はもう一箇所、柳さんの歌?を聴けるところがあります。
    それはタイトルBGM「虹のかなたの宝島」のイントロの最後、「は〜っ、うっ!」という声。
    これはこの声だけを収録させていただき、内蔵音源化してBGMに組み込ませていただきました。ちなみにデモ段階ではマンボ・ミュージシャンとして有名なあのパラダイス山元さんのCDからリッピングした声が入っていました(笑)

    さて本題の"Friday"に戻って、今度はタイトルの解説を。
    実はタイトルを決めたのは結構後になってからで、短い言葉でスパッとアニーのイメージを表現できる言葉がないかなーと探していたんですね。
    で、アニーといえば島流し(笑)なので、島を舞台にした物語にちなんでみよう、ということで思い浮かんだのが名作「ロビンソン・クルーソー」。
    フライデーはロビンソンが出会う原住民の青年の名前です。
    (といっても名づけたのはロビンソンで、理由は「会ったのが金曜日だったから」(笑))
    この奔放なフライデーのイメージがなんとなくゲームのイメージに重なって、ここからタイトルをもらいました。それと錬金術の「金」、金曜日の週末にむけてなんとなく心躍る楽しいイメージも重ねています。

    最後に、歌詞に仕込んだちょっとしたネタばらし。
    最後のサビで「やるだけやったよ 任せた天よ」という部分があります。
    アニーのアトリエの対応ハードはニンテンドーDS。「任天」堂DSです。
    それだけの小ネタでした(笑)

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    Friday(前編)
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      柳麻美さんの1stワンマンライブで披露していただいた曲の解説、2曲目!
      「アニーのアトリエ」より"Friday"です!

      "Friday"はアニーのアトリエのイメージテーマという位置づけで、広報などで使われてはいるんですけど実は残念ながらゲーム内では聴くことができません。でも制作者としては曲調・歌詞ともにこれがアニーの主題歌!というつもりで作ったので、もう主題歌ということで!

      さてどこから解説しようかな〜。書きたいことありすぎて・・

      まずは聴いていただくのがよいでしょう!
      「アニーのアトリエ」公式サイトのPVでフルバージョンで使用されていますので、どうぞご覧ください!(右下の「プロモーションビデオ」のバナー)
      ぐうたらアニーとたくさんの仲間が、セラ島のリゾート開発をめぐって織り成すドタバタストーリー。ちなみにこのPVには登場キャラの音声がやたらに挿入されてますが、この台詞をチョイスして編集したのも僕だったりします。普通は広報スタッフさんとかが作業されるんですが、アニーのアトリエには特に思い入れがあったので「やらして!」と(笑)
      最後らへんとか編集してて楽しかったなあー。

      そう、実は僕はこの「アニーのアトリエ」がシリーズの中でも特に大好きです。
      (もちろんアトリエは全タイトル好きなんですが!)
      キャラの性格付けや立ち位置、行動目的が明確で、和狸ナオ先生のイラストがまたそのイメージとぴったり一致しているのがすばらしいと思います。
      こういうキャラ立ちが明確なゲームを作るとき、脳内で勝手にキャラが動き出してストーリーができていくなんてことがありますが、アニーはまさにその最たるものでした。実は本編シナリオが完成する前に僕の脳内で「アニーのアトリエ」のストーリー1本分ができてしまい、それをもとに歌やBGMを作っていました(笑)
      もちろん勝手な脳内妄想をもとに作ってるいわば見切り発車みたいなものですから、実際に完成したゲームに合わなくなる危険性があります。でもアニーのときに限っては、そうやって作っても実際に完成したゲームやキャラ、場面のイメージと大きく外れることはないだろうという確信がありましたし、実際に見当違いだった楽曲もほとんどありませんでした。魅力的で性格のしっかりしたキャラ造形のおかげですね。
      初代マリーのアトリエ、それからメルルのアトリエのときもそんな感じがありました。共通するのは主人公がずぼらだったり猪突猛進だったり、人間くさい欠点をうまく表現できていることじゃないかなと思ったりします。

      ゲーム本編に飛んじゃったので、歌に話題を戻して。
      曲調としてはアトリエシリーズには珍しいパンキッシュな感じのポップです。
      アトリエといえば民族調、エスノ、しっとり・・というイメージが先行しますが、アニーの場合主人公が主人公ですから(笑)もちろん主人公のキャラだけではなくゲーム全体の雰囲気やサブキャラを含む和狸ナオ先生のイラストから僕がイメージしたのがこんな曲調だったわけです。

      歌詞も明るくポップでちょっとデタラメで、僕はこういう歌詞を書いているときが一番楽しいです。言葉を選ぶにも普段の話し言葉とかに近いイメージで親近感がわきますね。
      「勇気と愛とお金とアレと、あたしがいれば大丈夫」なんて、いいなあ。自画自賛。
      アレって何だよ(笑)

      うおー長くなってきた、でもまだ書きたいこといっぱいある!延長やむなし、後編に続く!

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